2008/01/31

子曰く、人の生くるや直し [コラム]

 遠くは「ミートホープ」、近くは「赤福」、「吉兆」といった食品業界最大手に代表される経営ををめぐる虚偽表示等の不祥事が依然後を絶ちません。
 とりわけ、食品の安全、安心をめぐり新聞のコラムでも激賞されていた老舗「赤福」までもが、需要に追いつけなかったとして冷凍製造を隠していたとの経営者の弁明には、まさに「赤福よおまえもか」の感を深くします。
 昨今の経営は、「儲けさえすれば、勝ちさえすれば何をしても良い」との新自由主義とかいわれる風潮が蔓延し、ギスギスした社会に拍車をかけている気がします。
 昔、近江商人には、「三方一両損」の例えではありませんが、「売り手(店)良し」、「買い手(客)良し」、「世間(全て)良し」の「三方良し」でなければならないとの商い哲学があり、これが人間の限りない欲望を抑え、誤った道に踏み出さないための心得として大切にされていたとのことです。
 また、論語に「人の生くるや直し。これを罔(し)いて生くるは、幸いにして免れるのみ」という言葉がありますが、その意味するところは「人は本来正直に生きていくもので、それを歪めて生きていられるのは、たまたま運良く助かっているだけで、いつか必ず手痛い目に合うことになる」ということにあります。
 違法商品を扱うことで、一時的にには儲かり良い思いをしたであろうショップ経営者が、警察の手入れを受け悄然たる姿を見るにつけこの一節が思い起こされます。 

2008年01月31日 10:44